
どうも、たくかいじゅうです!
2019年7月21日、令和最初の参議院選挙投開票が行われます。
しかし、日本って、毎回選挙の投票率って、少ないですよね。そこで、選挙に行かない人が多い理由は何故かを、そして投票率を上げるためにどうすればいいかを、投票率の高い国と比較することで考えてみました。結構前から考えているテーマなんですけど、選挙がもうすぐ、ということなので記事に書くことにしました。
日本は投票率が低い。対し、投票率の高い国として、オーストラリア、スウェーデンを挙げて、比較することで日本の投票率の低さの原因・理由を探り、また、投票率を上げるためにどうすればいいかも書きます。
ちなみに、書いていたら思った以上に、かなり長い記事になってしまったので、ブックマークやお気に入りでもしておいて、時間があるときにどうぞ。
日本・オーストラリア・スウェーデンの投票率の比較
日本の投票率は50%前後(出典・2019年7月5日閲覧)、オーストラリアの投票率は90%超え(出典・2019年7月5日閲覧)、スウェーデンは80%超え(出典・2019年7月5日閲覧)です。
こうやって見比べると日本がやたら少なく見えますが、アメリカとかも同じくらいです。でも、少ないです。
そして、日本(やアメリカなど投票率の低い国)の特徴としては若者の投票率が少ない、ということがよく言われています。
以下は、総務庁が出しているデータですが、20代の投票率が特に低く、続いて30代、10代が低く、60代くらいが最も高いことがわかります。しかし、最も高い60代の投票率でさえ、平成28年の衆議院のものを見ると70.07%。結局、オーストラリアやスウェーデンの投票率には到底かないません。
出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について(2019年7月5日閲覧)
ちなみに、執筆時点で、いずれも投票できる年齢は18歳以上です。
さて、本題に入ります。
オーストラリアは何故投票率が高いか
選挙は権利、という考え方の日本とは異なり、選挙は義務制。行かなかったら罰金です。
・・・、というのは、あまりに有名過ぎて、面白みが無いですね。
投票率が高い理由は、これだけでも説明つきそうに見えますが、他にもオーストラリアは特殊な選挙の仕組みを用いています。
例えば、ですよ、投票する際、日本など多くの国だったら・・・。手っ取り早く言うと、「この人に票を入れたい!」と思う人に一票入れて終了、って感じですよね。
対し、オーストラリアの場合は、「優先順位」を用いています!
例えば、5人が立候補したなら、「当選させたい順番」に1〜5を記入する、という仕組みです。全員分書かないと無効票。そして、開票、優先順位「1」の中に全体の過半数をとった候補者がいた場合、その人が勝利。いなかったら・・・、「1」の票数が最も少ない候補者を除外し、その除外された候補者を「1」とした投票用紙を見て、優先順位「2」の候補に、そのまま票数が割り振られます。そして、過半数になるまで、次に少なかった候補者、その次・・・、などという風にやっていき結果が決まるわけです(参考)。
・・・、我ながら、わかりずらい文章ですね。1〜5までの優先順位つけてこの候補がいい、この候補は絶対に嫌だ、みたいな意思表示ができる、というところが特に大事かと思います。日本では「この候補がいい」があっても「嫌だ」の投票はできませんし。
そして、(日本視点で見て)特殊なのは、それだけではありません。投票所ではボランティアの人たちがソーセージ(通称、民主主義のソーセージ)などを作っていて(参考)、賑わうようです。日本の、「ただ選挙に行って帰るだけ」とは大違いとなっています。
こんなエピソードも・・・w↓
投票所を訪れた当時のターンブル首相が「豪州の民主主義は、ソーセージ・シズルの香りなしでは成り立たない」と発言
なんか、こういうところ、羨ましいですね。
選挙に行けるようになる年齢は、18歳以上(参考)。ここは日本と同じですね。
まとめると、日本との違いは、
日本(投票率50%前後) | オーストラリア(投票率90%超え) |
投票は権利 | 投票義務制・罰金制 |
ざっくり言うと、一人の候補者に投票 | 優先順位をつけ、当選して欲しい候補と嫌な候補を順に書くことができる |
選挙に行ったら帰る、それだけ。大体が。 | 選挙に行ったら、民主主義のソーセージなどを売ってる! |
選挙権年齢は18歳以上 | 選挙権年齢は18歳以上 |
個人的に罰金制は嫌ですが、それ以外の仕組みは好みですね。
次、行きましょう。
スウェーデンは何故投票率が高いか
オーストラリアでは罰金制がありましたが、スウェーデンでは、罰金制などは、ありません。
それなのに、非常に高い投票率を維持しています!
何故か・・・、そこには、日本が「ほぼやっていない」と言える、選挙等の政治活動に向けての事前準備、というものがありました。「教育」が、日本とは全く違うんです。
ちなみに、スウェーデンの選挙権年齢は18歳以上です(参考)。
日本とスウェーデン、アンケートで違いが見えてくる
まず、こちらの画像を見てください。
内閣府が2013年に実施した、若者の意識に関する調査で、「あなたは、今の自国の政治にどのくらい関心がありますか」という質問です。
これを見るとわかる通り、「非常に関心がある」と「関心がある」を合わせた解答の数が、スウェーデンよりも日本のほうが上なのです。
それなのに、スウェーデンのほうが、投票率は、圧倒的に上。
投票率高いのに、どういうことか?
ちなみに、最新の2018年の調査では、スウェーデンのほうが「非常に関心がある」と「関心がある」の数が多くなっています。ですが、他の国と比べると低い。
続いて、こちらの画像をご覧ください。
2013年の、「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」という質問。
日本では「そう思う」「どちらかといえばそう思う」がかなり多いのですが、スウェーデンでは逆、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」のほうが多いです!
2018年のものも・・・、
このとおりです。
ここが、重要なポイントだと考えています。日本の場合、「自分が選挙に行ったところで政府の決定に影響を与えられない」と考えて選挙に行かない人が多い、対し、スウェーデンの場合では「自分が選挙に行ったら政府の決定に影響を及ぼせる!」と考えて、行く人が多いのでしょう。
政治への関心より、こっちのほうが大事かと思います。
そして、スウェーデンでは何故「私個人の力で政治に影響を及ぼせる!」という考えが多数なのか。それは幼い頃からしっかり行われてきた教育によるものだと考えています。
スウェーデンは、民主主義、選挙に関する教育がすごくしっかりと行われているのです。
ちなみに、非常に長いので「規則は、・・・」のところまで読み飛ばしてもOKです。
スウェーデンの学校の「学校選挙」、日本の学校の「模擬選挙」
スウェーデンの学校では、「学校選挙」というものがあります。実際の投票日の2週間前に、中学校と高等学校で、実際の選挙と同じ政党に実際の投票用紙と同じ紙で、投票するのです(参考)。
つまり、学校の時点で、本気で選挙と同じようなことをしているのです。その際に、政党を知れて、どの党が自分にとって良いか、などということも学べるんです!いや、それ以前から授業でしっかり教えています(後述)。
しかも、その結果は全国的に集計、実際の選挙がされて結果が出た後に、すぐに公表されます。
日本では、どうでしょう。「模擬選挙」とか言って、架空の政党で選挙したり、生徒会の代表を選ぶ程度。完全に、「子ども扱い」なんですよ(参考)。所詮子どもだし、この程度で、という感じ。
日本の子どもは子ども扱いされている、スウェーデンとは大違い
子ども扱い・・・、といえば、これを思い出しました。「不満買取センター」が実施したアンケートで、若者が選挙に対し、どんな不満を持っているのか、というものですが、
「10代の人に目が向けられすぎている気がした。大人たちが『何も知らないくせに』みたいに言ってくるのがイヤだった」(×:18歳、女性、高校生)
「駅前で選挙活動してる人は、制服を着ている私たちにはビラをくれない。制服着てても有権者。印象が悪すぎて、そんな候補者に投票する気になれない」(○:18歳、女性、高校生)
こんな感じに、選挙に行く若者などに対しても、社会が「子ども扱い」していることがうかがえます。
スウェーデンは、そんなことはありません。「学校選挙」を通じて、しっかりと投票させたりするだけではなく、他にも、様々なことをしています。子ども扱いなんて、していないのです。
スウェーデンの場合は、選挙の時に突然「政党について知りなさい!」というのではなく、事前に、しっかりと教えています。
スウェーデンの学校では各政党等の関係者が来る、日本では「政治的中立性」とか言ってNG
学校に、各政党の関係者がやってくる授業があるのです。
引用します。
――スウェーデンでは教えているのでしょうか。
高校に各政党の若者組織の関係者がやってくる授業があります。若者目線で「自分たちの政党はこういうことを言っている」というのを解説するんです。
ただ、中立性には気を配らなくてはいけないので、申し出があった、一定以上の規模の政党の来校は基本的に受け入れる決まりになっています。時間的な制約や先生の負担の大きさの点で問題になっていたりはするのですが、基本的に政党が学校に来ることを悪いことだとは考えていません。
日本だと、中立性を保つために、一切呼ばないとなるのが普通ですが。
――学校に、政党が来て話をするというのは、ちょっと考えられないですね。
僕は、8年前の選挙の前に、現場を見たことがあります。体育館で子供たちが座っていて、政党の人々も革ジャンみたいなのを着て、「お前ら、俺はこの政党から来たんだけど、どう思ってる?」みたいな問いかけをしていましたね。
生徒側からはヤジが飛んだりもしました。「ふざけんなーお前の政党は間違ってる」みたいな。モノを投げる生徒もいて、そういう中で、「でも、うちの政党はこういうことを考えてるんだ」と話していました。
――日本だったら、先生が青くなってしまいそうです…。
そもそも、中学生・高校生にもなると、政党の若者支部に入っている子も多いです。
ある中学校相当の社会の授業で、インタビューの課題を与えた学校も見ました。ある社会問題に対して各党ではどういう意見を持っているか、それぞれ調べましょうという内容でした。
そこからも、すごくて。「詳しく知らないけれど隣のクラスの子が党員だから聞いてみよう」とか。その子が支持している政党以外の党が割り振られて、渋々やってる子もいましたね。
日本では選挙権のない18歳未満は選挙運動が禁止されていますよね。でも、スウェーデンはそんなレベルじゃないですよ。ある政党の若者支部の党員の子が、ほかの学校に行ってチラシを配ったりもしているんです。
この通りですよ。日本では、「18歳未満だから」、「子どもだから」・・・、的に政治から遠ざけているイメージがあります。バカにしてます。
高校などの学校での政治活動は、「校外でのデモや集会は、放課後や休日ならOK、ただし学業等に支障をきたす恐れがあるものはNG」、「学校内ならNG」です(参考)。
そして、「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」には、こんなことも書かれていました。
指導に当たっては、教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導すること。
3.指導に当たっては、学校が政治的中立性を確保しつつ、現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が有権者として自らの判断で権利を行使することができるよう、より一層具体的かつ実践的な指導を行うこと。
また、現実の具体的な政治的事象については、種々の見解があり、一つの見解が絶対的に正しく、他のものは誤りであると断定することは困難である。加えて、一般に政治は意見や信念、利害の対立状況から発生するものである。そのため、生徒が自分の意見を持ちながら、異なる意見や対立する意見を理解し、議論を交わすことを通して、自分の意見を批判的に検討し、吟味していくことが重要である。したがって、学校における政治的事象の指導においては、一つの結論を出すよりも結論に至るまでの冷静で理性的な議論の過程が重要であることを理解させること。
さらに、多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立のある事柄等を取り上げる場合には、生徒の考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要であること。
その際、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより、生徒が主体的に考え、判断することを妨げることのないよう留意すること。また、補助教材の適切な取扱いに関し、同様の観点から発出された平成27年3月4日付け26文科初第1257号「学校における補助教材の適正な取扱いについて」にも留意すること。
なるほど、日本的な「政治的中立」というのは、個人的な主義主張を言うことを避け・・・、ということだそうです。スウェーデンでは各政党がやってきて主張して・・・、そして生徒が意見して・・・、です。
やっぱ子ども扱いしているんでしょうね。ここが気になります。「多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立のある事柄等を取り上げる場合には、生徒の考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要であること。その際、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより、生徒が主体的に考え、判断することを妨げることのないよう留意すること。」
ややこしいので意訳すると、「多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立のある事柄等を扱う場合には、生徒が主体的に考えて判断するために、特定の見方や考え方に偏った教え方をしてはならない」・・・。
つまり、特定の見方や考え方に偏った教え方をすると、生徒が主体的に考えられない!信じこんでしまう!洗脳されてしまう!みたいなイメージです。
って、いやいやいや、そういう偏った意見とか言われた時にこそ、「いや、それは違う!」ってな具合に、主体的に考えられるんですがね。やっぱり子ども扱いしてるからか、「良くない!危険だ!教えるんじゃねえ!」ということでしょう。
そして、薄っぺらい教え方になり、結果生徒「選挙のこと、よくわからない・・・」になる、と。そして選挙権年齢に達してもよくわからないまま・・・。そういうことです。
スウェーデンのものとは大違い、ということがわかるのではないでしょうか。
さっきの引用した記事でも、
――日本は、子供をなるべく政治から遠ざけようとしていますね。
「悪い大人にだまされる」「洗脳される」から、危ないというような発想ですよね。子供が騙されちゃうんじゃないか?だから危険です、ということですよね。バカにしています。
でも、子供はそんなにバカじゃない。子供は子供の目線で考えて、正しいって思うことがあれば、それはそれでいい。
政治のことがわからないまま、大人が投票することのほうがよっぽど危険です。
こんな風に言われています。日本ってなんなんだ。
ちなみに、上の方でも少し紹介しましたが、実際の「選挙での若者の不満」の中に、こんなのが。
「いきなりポンと選挙権を与えられても困る。学校のカリキュラムか何かで事前知識を与えて欲しい」(○:19歳、女性、大学生)
スウェーデンの常識は、日本の非常識。18歳以上にいきなり選挙権与えるだけ与えて、知識はNG、それが日本。
インターネットやSNSに対する教え方、考え方の差
政治活動で、インターネットに関しては、
第4 インターネットを利用した政治的活動等
インターネットを利用した選挙運動や政治的活動については、様々な意見・考え方についての情報発信や情報共有などの観点から利便性、有用性が認められる一方で、送られてきた選挙運動用の電子メールを他人に転送するなどの公職選挙法上認められていない選挙運動を生徒が行ってしまうといった問題が生じ得ることから、政治的教養の教育や高等学校等の生徒による政治的活動等に係る指導を行うに当たっては、こうしたインターネットの特性についても十分留意すること。
「危険な面がある」「違法な使い方をしてしまうかもしれない」「だから十分留意すること」を重要視しています。
学校でも、よくこんな風に教えられます。「SNSは、炎上するかもしれない、危険」「SNS、画像から特定されるかも、危険」「自覚なく犯罪するかもしれない、危険」・・・、
危険な面ばっかり。「子どもだから」とか思ってるんでしょうかねぇ。
スウェーデンの場合は・・・、引用します、
――子供を「子供扱いしない」ことと関連して、スウェーデンの社会科の教科書にあった「ソーシャルメディア」のくだりにもとてもびっくりしました。小学校高学年相当の内容で「Twitterなどのソーシャルメディアは世界中の権力者に影響を与えられるツールです。あなたも意見を述べて他の人々に影響を与えることを考えてみましょう」という解説が出てきます。
教科書でしれっと出てくるところがすごいですよね。日本でのSNSやインターネットの使われ方は、情報収集のツールというイメージがすごく大きいですけど、「発信」が大事と言い切っています。
日本の教科書では、SNSは「危険」な面ばかりが重視され、スウェーデンでは「世界中の権力者に影響を与えられる!」です。
日本がどんどん小さく思えてきます。
規則は「守るもの」なのが日本。「作るもの」「変えるもの」なのがスウェーデン。
日本の学校にも、スウェーデンの学校にも、「校則」というものがあります。
しかし、捉え方はまるで違います。
例えば日本だと、学校に校則があって「守りなさい」だけれど、スウェーデンではその規則は、「自分がつくるものだ」と。おかしいなと思ったら、変えればいいんだという考え方です。
日本では、とにかく従うことこそが重視されるんです。
髪の毛の黒染強要のほかに
パーマ禁止。「くせ毛届け」提出。承認のサインを生徒手帳に
男子は丸刈り、女子は肩に髪がついてはいけない。
ヘルメットをかぶらずに自転車通学したら自転車没収。通学カバンは前かごではなく、後ろの荷台に専用カバーでくくりつけなければならない
帰宅時、文房具店と図書館以外は立ち寄り禁止
通学は片道40分以上かかるのに、徒歩以外許されず、水分補給もダメ。
髪が濡れても拭いてはダメ。遅刻者の給食は残飯。
手帳や日記を読まれる。
などなど・・・。
「ブラック校則」として話題になってたりしますが、ぽっと出で出てきたわけではなく、インターネットなどの影響で広められやすくなったのでしょう。昔からあった、と言っている人多いです。
さて、なんでこんなブラック校則がまかり通っているか?
変えられないからです。
おかしいものがあっても、主張できない。したら意味のない反省文。
結果、こんなブラック校則が当たり前なものとして受け入れられていってしまう・・・、というわけです。より酷い校則と比較して「マシだろ」とか言ったりする輩もいますね。
つまり、「黙って従え」と。校則は守るものだと。それが日本です。ちなみに筆者はこれを社畜養成目的の洗脳、と考えた記事を過去に書いています(こちら)。
しかしスウェーデンはそうではありません。良くないものがあったら、声をあげて変えていこう!という感じなのです。引用します・・・、
スウェーデンでは、子供は子供なりに社会に対して自分たちの意見をはっきり主張するように教育されているのです。例えば日本では「学校の校則はきちんと守るように」と教えられます。スウェーデンでは「校則が本当に正しいのかどうか、自分たちで判断しなさい」と教えられます。そして「もしその校則が正しくないと思ったら、自分が思うことをやってみるといい」と言われているのです。しかもこういうことが社会科の教科書に書いてあるのです。
“もしあなたがとんでもなくド派手な格好で学校に行きたいと思ったら、やってみましょう。初めはまわりの抵抗があるかもしれません。でも頑張ってやり続けていると、それが普通のことに変わるかもしれません”
規則やルールや社会の仕組みは、自分たちがアクションを起こすことで変えられる。そう教えられて、スウェーデンの子供たちは育っていくのです。
日本なら校則は黙って従うもの、守るもの。「“もしあなたがとんでもなくド派手な格好で学校に行きたいと思ったら、やってみましょう。初めはまわりの抵抗があるかもしれません。でも頑張ってやり続けていると、それが普通のことに変わるかもしれません”」・・・、こんなことをしたら校則違反になって処罰される、それが日本です。スウェーデンではその逆、そうやって行動を起こし続けることで変えられる、校則も変えられるのです。
日本だと、例えば筆者の身の回りだと「校則を変えたいなら、しっかりとその校則を守った上で・・・」とか言われます。そして、最終的に「ちゃんとできるかわからん」とか言われて校則を変えられません。おい。
スウェーデンなら、思いっきり破っちまえ、作ろう、そして変えていく、です。そうやって行動を起こし、そしてちゃんと校則は変わっていくのです。
こうして、上の方で書いた「自分が選挙に行ったら政府の決定に影響を及ぼせる!」というスウェーデンの考え方が育まれていくのです。
日本では、ずっと「校則は黙って従え」「校則は守るもの」「校則を変えられない」という感じです。だから、「政治を変えていける」という意識は育まれないのです。
スウェーデンまとめ
こうした徹底的な教育によって、高い投票率になっていっている、ということがわかるのではないでしょうか。表でまとめてみました。
日本(投票率50%前後) | スウェーデン(投票率80%超え) |
「模擬選挙」で架空の政党に投票したり、生徒会選挙をしたりするだけ | 実際の選挙の2週間前に、「学校選挙」で、実際の投票用紙で、実際の政党に投票。全国的に集計され、実際の選挙後に公表される。 |
子ども扱いばかり | 「大人」として扱う |
「政治的中立性」とか言って、政党が来たりはなし。教えるといえば、選挙制度くらい。 | 学校に各政党の関係者が来る授業がある。生徒も結構話す。 |
インターネット、SNSは「危険なもの」として教える。 | SNSは「世界中の権力者に影響を与えられるツール」だと、小学校高学年程度の教科書で教える。 |
学校の校則は「守るもの」、「黙って従え」、「変えられない」。結果、ブラック校則が・・・ | 規則、学校の校則は「作るもの」、「変えるもの」。おかしいものがあったら変えればいいと教える。 |
選挙権年齢は18歳以上 | 選挙権年齢は18歳以上 |
こうしてみると、違いが歴然としていますね。
さて、「日本は何故投票率が低いのか」「投票率を上げるためにどうすればいいか」、個人的結論を書きます。
日本は・・・、その場しのぎで選挙に行かせることばかり考えて、投票率低い
さて、
よく、いるじゃないですか。「オーストラリアみたいに罰金制にすればいい!」とか、「オーストラリアのように投票義務制にすればいい!」って主張する人。
思うんですが、そういう人って、行かせることばかり考えていますよね。投票義務制・罰金制にすれば、行く人が増えるから、そうすればいい、って。そして、都合よく投票率の高いオーストラリアという国の「罰金制」という部分だけを用いて、主張していくわけです。
実際にはオーストラリアって国は、この記事で書いた通り、かなり複雑な選挙なんですが、それに、投票所はソーセージなどで賑わったりするわけですが、ああいう主張する人って選挙行かせたいだけですからね。無知です。知らないんです。そういう人たちにとって大事なのは、そして知っているのは、「投票義務制」「罰金制」この部分のみです・・・。選挙に行かせたいだけですから・・・。他の仕組みが会ったうえでのその仕組み、なのに・・・。
そう、選挙に行かせたいだけなんですよ。選挙の時期がやってくると、「選挙にいけ」と主張しまくる。
日本では、選挙の時がやってきたら、やっと選挙に行かせることを考えます。選挙の時期に、やっと「選挙に行こう」とか貼り紙貼ったり、選挙に行こう、選挙に行こう、選挙に行かなかったらこうだ、選挙に行かない奴はこうだ・・・、みたいに言っていきます。
選挙の時期がやってきて、やっと選挙の対策をするのです。そして、話題になり、色々意見が飛び交う。その場しのぎで。
でも、政党などに冠する何の事前知識もない状態でいきなり「はい、選挙だよ〜」となっても、わからないでしょう。
まさに、
「いきなりポンと選挙権を与えられても困る。学校のカリキュラムか何かで事前知識を与えて欲しい」(○:19歳、女性、大学生)
この状態↑です。
だから、政治について、よくわからない。そして、投票率が低くなっているのです。
スウェーデンでは、学校にいる時からしっかりと政党に関して教えたりまでしています。
校則を変えられる、という仕組みが、政治を変えていける、という意識につながっていっています。
日本は、上の方で書いたとおり、両方とも真逆、政党などに関してはほとんど教えない、校則は変えられない。
まとめ
この「教育」こそが、日本の投票率が低い大きな原因でしょう。
つまり、教育の時点から改革していくべきではないでしょうか。
いきなり選挙権を与えるだけ与えても、意味がない。しっかり、変えていく意識を、そして「政治的中立性」などといって教えてこなかった知識を、これからは教えていく・・・、それが、長期的に見て、日本が投票率を上げるために、必要なことだと思います。
また、目先のものだけを見て選挙に行かせたいだけ、ではなく、原因・問題点をしっかり考える、解決策を考えていく。そういったことが大事なのではないかと思います。選挙に行かせようとしても、行かない人は行きませんし。
大事なのは「これから」です。その場しのぎで今のことをやっていても、解決しない問題はいつまでたっても解決しません。長期的目線で、将来・未来について考えていきましょう。
長すぎてまとまりのない、読みづらい記事になってしまいました。読んでくださってありがとうございました。